この記事では、イギリス永住権は何年で取得できるのか?
そして条件・資格・費用などの注意点についてまとめました。
ぜひ続きをご覧ください。
目次
イギリス永住権の取得に必要な期間
滞在年数の一般的な要件
イギリス永住権を取得するためには、一定の滞在年数が必要です。多くの場合、英国での連続した滞在期間が5年以上求められることが一般的です。ただし、この滞在期間はビザの種類や個別の条件によって異なる場合があります。たとえば、就労ビザや配偶者ビザを保有している場合、それぞれのルートに応じた特定の条件を満たす必要があります。
ビザ別の取得期間例
ビザの種類によってイギリス永住権の取得までに必要な期間が異なる点に注意が必要です。例えば、「Skilled Workerビザ」を保有する場合、一般的には5年間イギリスで就労し続けることが条件となります。一方、配偶者ビザでは、通常5年間の居住が必要ですが、家族状況や収入条件により柔軟性が適用される場合もあります。投資家ビザや特定の条件付きビザでは、3年以内で申請が可能なケースもあります。
滞在期間が短縮されるケース
条件を満たせば、イギリス永住権を取得するための最低滞在年数が短縮される場合があります。たとえば、投資家ビザ(Tier 1 Investor Visa)を持つ申請者が一定額以上の投資を行った場合、滞在期間が5年から3年または2年に短縮されることがあります。また、「Global Talentビザ」のような特定のスキルや実績を証明できるビザでは、通常の滞在要件よりも短い期間で永住権の取得が可能です。さらに、イギリスでの特定の国内貢献が評価されるケースでも、滞在期間が優遇される場合があります。
例外的な申請条件
一部のビザカテゴリーでは、永住権申請に際して例外的な条件が適用されることがあります。たとえば、EEA国籍を持つ人やこれまでEUに関連するルールの下で居住していた人は、引き続き異なる条件で永住権の取得が認められる場合があります。また、難民や特別保護の適用を受けている人も独自の基準で永住権を申請することが可能です。さらに、特別な貢献や特殊な条件を満たす場合、英国政府や移民法上で柔軟な対応がなされることもあります。
イギリス永住権の取得条件と資格
年齢要件と基本資格
イギリス永住権を申請するためには、基本的に申請者が18歳以上である必要があります。また、適切なビザの保有を基に、指定された期間イギリスに滞在していることが条件となります。たとえば、就労ビザや配偶者ビザを保有している場合、通常5年間の継続的な滞在が求められます。この年齢要件や滞在期間の基準は、永住権の申請資格を満たすための基本的なポイントであるため注意が必要です。
就労・収入に関する条件
永住権の取得に向けて、収入や雇用に関連する条件を満たすことが重要です。たとえば、スキル労働者ビザ(Skilled Worker Visa)を持つ場合は、5年間継続して就労していることと一定の収入基準を満たす必要があります。一部のビザ、特に配偶者ビザにおいては、年間29,000ポンド以上の収入を証明する財政証明が求められることもあります。収入基準はビザの種類や個々の状況に応じて異なる一方、規定を順守しない場合申請が拒否される可能性があります。
英語力の証明
イギリス永住権の申請には、英語力を証明することが必須要件の1つです。具体的には、CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)のB1レベル以上に相当する英語力を証明する試験結果が必要とされます。また多くの場合、「Life in the UK」テストと呼ばれる試験にも合格しなければなりません。この試験では、イギリス文化や歴史、生活に関する基礎的な知識が問われます。これらをクリアすることで、イギリス社会への適応能力を示す必要があります。
犯罪履歴や健康状態の要件
イギリス永住権の取得には、犯罪履歴がないことが大前提です。特に重大な犯罪歴がある場合、申請が拒否される可能性が非常に高くなります。また、健康状態に関しても一定の基準を満たす必要があります。たとえば、結核など特定の感染症にかかっていないことの証明書の提出が求められる場合もあります。これらの条件は、イギリス社会での責任ある市民としての生活が可能であることを示すための重要な要素となります。
特定のビザに必要な資格要件
永住権申請においては、保有しているビザごとの特定の要件を満たす必要があります。たとえば、スキル労働者ビザの場合は、所定のポイント制(PBS)で規定された職種やスキルレベルに対応し、かつ最低収入基準を満たすことが条件です。また、配偶者ビザの場合は、関係性を証明するための書類の提出や継続的な同居の実証が求められることがあります。ビザの種類や状況に応じた資格取得や必要条件を事前に詳しく調べることが重要です。
イギリス永住権申請にかかる費用
申請費用の概要
イギリス永住権を申請する際には、Home Office Fee(審査費用)とImmigration Health Surcharge(IHS:移民健康サージャージ)の2つの主要な費用がかかります。2023年10月4日から料金が改定され、永住権申請の審査費用は2,885ポンドに引き上げられました(改定前は2,404ポンド)。また、IHSの現在の額は18歳以上1年あたり624ポンドですが、将来的に1,035ポンドに引き上げられる予定です。これにより、永住権の取得は以前よりも高額となり、申請者への経済的負担が増えることに留意する必要があります。
英語試験の費用
イギリス永住権を取得するには、英語力を証明するための試験を受ける必要があります。いくつかの試験オプションがあり、その中で認められている試験の費用は平均して150〜250ポンド程度です。また、「Life in the UK Test」という試験も受験が必要で、これにかかる費用は50ポンドです。これらの試験費用も永住権取得にかかる全体のコストに含めて考える必要があります。
その他の付随費用
永住権を申請する過程では、他にもさまざまな付随費用が発生する場合があります。たとえば、申請書類の翻訳費用、必要書類を揃えるための郵送料、また代理業者や弁護士を利用する場合の手数料などが挙げられます。これらのコストは申請者の状況によって異なりますが、平均して数百ポンド以上かかる可能性があります。さらに、申請のプロセス中に再申請が必要な場合、この追加費用も含めて考える必要があります。
費用を節約する方法
イギリス永住権を申請する際には、費用を節約する方法を検討することが重要です。まず、英語試験やLife in the UK Testに事前に十分な準備をして、一度で試験に合格できるように努めることで、再試験にかかる追加費用を避けることができます。また、公式ガイドラインをよく確認し、すべての書類を正確に揃えることで、不備による再申請費用を防ぐことが可能です。さらに、弁護士や代理業者を利用せずに自身で申請手続きを行うことで、手数料を節約することもできます。ただし、この場合でも申請要件に従った正確な準備が求められるため、最新情報を入手しながら慎重に進めることが必要です。
イギリス永住権の申請プロセスと注意点
申請の流れと必要書類
イギリス永住権を申請する際の基本的な流れは、まず自身が永住権の条件を満たしているかを確認することから始まります。次に、必要な書類を揃え、オンラインで申請を行います。必須書類には、有効なパスポート、現在保有しているビザ、英国での住所を証明する住民票や契約書、就労・財務状況を示す書類、英語力を証明する試験結果(例えばIELTS)やLife in the UK試験の合格証明書などがあります。提出された書類は審査され、その後バイオメトリクス予約を経て申請が完了します。
申請時のよくあるトラブル
イギリス永住権申請で発生するトラブルとしては、申請に必要な条件や資格を満たしていない場合、必要書類の不備や未提出、英語試験やLife in the UK試験に合格していないことなどが挙げられます。また、申請費用や移民健康サージャージ(IHS)の未払い、オンライン申請フォームの入力ミスが原因で対応が遅れることもあります。さらに、移民法や永住権に関する規制が変更されることで要件が急に変わり、以前の情報に基づいて準備していた場合にはトラブルが発生する可能性もあります。
申請が拒否された場合の対策
申請が拒否された場合、最初に理由を確認することが重要です。よくある拒否理由は、条件の未達、書類の不備、または申請費用の不足です。拒否理由に応じて追加書類を用意したり、未達要件を満たすためにビザの延長手続きを行ったりする方法があります。不服申し立てが可能な場合は、訴訟を起こす「Administrative Review」を検討することもできます。ただし、負担が大きいため、専門家や弁護士への相談をおすすめします。また、再申請のタイミングについても十分に検討し、計画的に準備することが大切です。
永住権取得後の責任と制限
イギリス永住権を取得すると、就労や学業などの制限がなくなり、ほぼ市民と同様の権利を得ることができます。ただし、完全な市民権とは異なり、例えばイギリス国外に2年以上連続して滞在すると永住権を失う可能性があります。また、市民権を申請しない限り選挙権は付与されません。税法や社会保障においてもイギリスに継続して居住していることを求められる場合があります。そのため、取得後はイギリスに基盤を置く生活を維持する必要があります。永住権保有者としての責任を果たしつつも、条件を明確に理解し遵守することが重要です。
まとめ
イギリス永住権を取得するためには、滞在年数やビザの種類に応じた条件を満たす必要があります。また、年齢や英語力、犯罪歴の有無などの資格要件も慎重に確認し、必要な資格を揃えることが重要です。さらに、申請には多額の費用がかかるため、最新のビザ申請費用や、英語試験、移民健康サージャージ(IHS)の費用も考慮する必要があります。
申請手続きには細かな書類準備や手続きが伴い、拒否されるケースもあるため、適切な準備や必要に応じて専門家への相談をおすすめします。永住権取得後は特定の制限や義務もあるため、取得後の生活についても計画を立てることが大切です。イギリスでの長期生活を見据えて、慎重な準備と最新情報の把握を心がけましょう。